遠くから被写体を映し台詞が明瞭に聞こえない作品、でない日本映画がいつかカンヌで受賞できたらいいと思う

web拍手 by FC2

是枝裕和と河瀨直美の作品を
きちんと観られたことがないので、
何度も観ようとはしたつもりですが
耐えられないので、
この方々の作品への理解が全く足りていない
文章になっているであろうことを
前置きさせてもらいます。
そのうえで以前から感じていたことを
書き留めておきたい。



自分の
是枝裕和と河瀨直美への評価は低いというか
ほぼ評価はないです。

そもそも言ってしまうならば
映画だと思ってはいない。

でも観たぶんだけの印象でいえば
映画に憧れて作られた映像であるだけのように
見えてしまって恥ずかしい。
これは彼らの作品だけに限らないことなので
彼らの作品だけをあげつらう気持ちもないのです。

また是枝裕和も河瀨直美も、
それぞれの映画監督になるまでの経歴なども
大分異なるものですし、
作る作品も大分違うものなのでしょうが、
カンヌがどうやらそれを好むうえに
残念なことに自分はどうしても彼らの作品に
耐えられないという共通点だけで
今回は書いています。

個人的には彼らの作品を観ようとしても
途中でどうしてもどうしても耐えられなくなって
きちんと観られたためしがない。
なので評価をする立場にない。
ただ自分の感覚としてとても観るに堪えない。

脚本とか台詞とか演技指導とか
台詞がよく聞こえないところ更には
それをリアルだとでも言いたげと
感じてしまう演出などなどが
とても苦手なんだろう。
それでどういうわけか彼らは共通して
家族家族、と大声でおっしゃるのが
自分にはどうしても耐えられない。

でもきっと国内で人脈なりを作るのは
上手な人たちで
それはきっと本人たちが努力した結果だとも
感じます。嫌味ではなく。

作品作りだけがストイックに上手でも
世間に出られるものではないとだけは
どの分野でも言い切れる。

是枝裕和にせよ
河瀨直美にせよ
彼らの作品を、
カンヌや外国の映画祭で評価されたから以外の理由で
自分自身が心から評価でき、
そして作品の内容が自分の肌に合うと感じ
感動なり何か気に入ることが出来る方がいるなら
それはそれで素晴らしいことで、
私などには見えないものが見えているということなので
とても羨ましくも思います。
これも嫌味でもなんでもなく。

それに外国で評価されることは
文句なしに凄いことだと思うし、
日本として誇るべきで
貶めるべきでもない。

なのでカンヌが
遠くから人間をカメラで撮ってて
台詞があまり聞こえない、
それが日本的と捉えているらしい様子なのは、
なんでそうなるというところですが
小津安二郎がそうだというならば
それは正しくないと個人的には感じます)
それはそれとして、

そうでない映画も受賞できるようになったら
嬉しいです。

溝口や小津がどうして外国で評価されたのか
の部分が私が思うのとは大分違っているんだろうとは
常々感じていましたが、
カンヌで受賞できる日本映画の近年の作品を
見るにつれ(耐えられないので観たとは言えない)
外国の方々に見えている部分は
どのあたりなのかに対する不思議な感覚が
どんどん強くなる。

もし外国の方々が
自分には本質ではないように思える部分で
小津安二郎の幻影を日本映画に求め続けるのだとしたら、
それはとても残念なことです。

個人的には小津安二郎は好きです。
いや正直に申し上げるならば
たぶん東京物語くらいしか分かっていない。
でも東京物語
最初にテレビで観た十代くらいのときも
更に大分経って最近また観たときも、
何度観ても同じところでやるせなくなって
同じところで泣いてしまう。
いまこの文を打っていても脳裏に、
原節子笠智衆
私ずるいんですと涙して
そのあと長い長い台詞で心情を吐露し、
笠智衆が、やっぱりあんはええ人じゃよと
返している場面を脳裏に描いて
目の前がぼやける。
あれこそが今の言葉で言うなら
刺さる台詞と感じます。

東京物語のなかで
決まってやるせなくなるのは
もうほぼ言うまでもなく
杉村春子演じる長女の自営業の家に泊ったときの
老夫婦の扱われようでありますが、
まあ今や驚くべきことは
父親役の笠智衆
長女役の杉村春子の当時の年齢の差が
とても小さい(二年しか離れていない)ことでしょう。

それでもって
東京物語に話がずれたものの、
私が望むことといえば
いつか遠くからカメラで被写体を映して
台詞が明瞭に聞こえない映画でない作品が
日本映画としてカンヌで賞を取ったらいいなあ
ということくらいです。

タルコフスキーが好きなので、
カンヌ映画祭で選ばれる作品が
個人的に必ずしも肌に合わないということは
ないのではないか、と自分では感じています。

だから自分にも耐えうるタイプの日本映画が
いつかカンヌで受賞してくれたらとても嬉しい
という個人的な気持ちです。